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研究所概要

設立趣旨書

1 趣 旨

  先の主要国首脳会議(北海道洞爺湖サミット)では、地球温暖化対策として、「世界全体で温室効果ガスの排出を半減させるとの長期目標を共有し、国連で採決を求める」とした内容が合意され、これらを踏まえて、主要排出国会議(MEM)では、「世界全体の長期目標を採択することが望ましい」また、「世界全体での長期目標の共有を支持する」との宣言が行われた。

  我が国は既に世界全体の温室効果ガスの排出を2050年までに半減するという目標を内外に表明していることを踏まえ、2008年5月の総合科学技術会議では、「環境エネルギー技術革新計画」を策定した。本計画では、温室効果ガスの大幅削減を目指すだけでなく、エネルギー安全保障、環境と経済の両立、開発途上国への貢献等を考慮して、1. 低炭素社会実現に向けた我が国の技術戦略、2. 国際的な温室効果ガス削減策への貢献策、3. 革新的環境エネルギー技術開発の推進方策を進めることを提言している。

  また、過去の石油危機や公害問題を克服してきた実績を持つ、我が国の環境エネルギー関連技術では、天然資源、特に石油等の化石燃料の枯渇、不可逆的な臨界点が近い地球温暖化問題、新興国における、経済発展に伴う環境負荷の増大、等々の環境問題等は、経済の持続や発展はもとより、人類の生存を脅かす段階となっていることが、もはや疑いの無い事実として認知されている。そして、注目すべきは、環境問題やエネルギー問題の解決への要求自体が、世界的にも巨大な市場規模の、関連産業を生み出しつつある現状である。今こそが、わが国の企業や大学等の研究機関が保有する、貴重な資産である先進的環境エネルギー関連技術をさらにブラッシュアップ、あるいは発展させ、環境問題、エネルギー問題の解決に向けた取り組みが緊急課題となっている。

  このような状況の下で本NPOは、環境エネルギー関連技術の中でも、特に省エネルギーと新エネルギーの創出、また、地球環境負荷の削減等に寄与する科学技術の調査と評価、そして、その研究開発・支援並びに普及・啓発を目的とするものである。

  環境エネルギー関連技術の調査や評価については、その対象に特に限定は設けないが、当初は主として東北大学の技術シーズを中心として、その実用化の可能性に関する検討を産業界、地方公共団体等との協力も視野に入れて行うこととし、当該技術を、類似の既存の諸技術シーズとの比較検討を、産業化の実現可能性および社会的コストパフォーマンスの視点から客観的に明らかにする。

  環境エネルギー関連技術の研究開発・支援では、上述の調査と評価等の作業を行った結果、当該環境エネルギー技術の社会的意義が高い、もしくは地域経済や国民経済上、有用であるとの結果を得た場合は、東北大学を中心とする大学や産業界との共同開発を行う。従来も産学連携で環境エネルギー関連技術の開発や実用化を目指した例は多いが、残念ながら産学連携の死の谷を越えることが出来ていないのが実情である。非営利の公益法人である当NPOが存在することにより、両者の懸け橋として、その立場の差を調整し、温室効果ガスの排出を大幅に削減するための革新的な技術開発と省エネルギー技術、再生可能エネルギー・新エネルギー技術の創出を目指し、低炭素社会の実現に向けた取り組みを展開する。

  また、環境エネルギー関連技術の研究開発等の成果は、エコハウスの実現や自然エネルギーの活用などの実効的な形として、地域モデル事業の実現や我が国社会への普及・啓発を進めるとともに、新興国や途上国等の国際社会にも普及させ、地球規模での低炭素社会の実現を目指すものである。

 

2 設立に至るまでの経過

  我が国は既に世界全体の温室効果ガスの排出を2050年までに半減するという目標を内外に表明していること。また、2008年5月の総合科学技術会議では環境エネルギー技術革新計画を策定するなど、環境問題を取り巻く様々な対応策が提言されている現状を踏まえ、東北大学大学院環境科学研究科等の研究者、東北大学の産学連携部署の関係者、また、環境触媒の事業化に携わった経験の有る企業関係者の懇談の中から、前述趣旨の環境問題の克服や課題解決に向けた技術開発などの必要性が提言され、当NPO設立の機運が高まった。特に東北大学では、環境エネルギーに関する質の高い学術研究成果と確立しつつある環境エネルギー関連技術は非常に実用化の有望なシーズが存在し、エコハウスの実現や自然エネルギーの実用化、高機能蓄電池の開発など、地域のモデル事業の実現や我が国社会への普及・啓発を進めるとともに、国際社会にも普及させ、地球規模での低炭素社会の実現を目指すことを目的に、当NPOの設立は早期に行うべきであると関係者の認識が一致した。

 

  平成21年6月1日

 

特定非営利活動法人 環境エネルギー技術研究所
理事長

田路 和幸





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